スピリチュアルに科学的根拠はある?研究が注目する5つの実践
「スピリチュアルって、結局気のせいでしょ?」
瞑想が良いとか、感謝の習慣が大事とか。「なんとなく良さそう」とは思うけれど、本当に意味があるの? 気のせいじゃないの?
そう思うのは自然なことです。スピリチュアルという言葉には、どうしても「非科学的」なイメージがつきまといます。
でも実は、スピリチュアルな実践の中には、世界中の大学や研究機関で真剣に研究されているものがあります。ここでは、特に注目されている5つの実践を紹介します。
1. 瞑想・マインドフルネス
最も研究が進んでいるスピリチュアルな実践が、瞑想とマインドフルネスです。
ハーバード大学、スタンフォード大学、オックスフォード大学をはじめ、世界中の研究機関がマインドフルネスの研究に取り組んでいます。Google、Apple、Nikeといった企業が社員向けプログラムに採用しているのも、こうした研究の蓄積があるからです。
イギリスでは国の医療制度(NHS)がマインドフルネスを推奨プログラムに含めています。日本でも、多くの医療機関や企業が取り入れ始めています。
瞑想は「信じるもの」ではなく、「試して、自分で効果を感じるもの」。世界中の研究者がそのメカニズムを解明しようとしている、現在進行形の研究テーマです。「怪しくない瞑想」に興味がある方は「瞑想は宗教と関係ない」も参考にしてみてください。
2. 感謝の実践(グラティチュード)
「感謝すると良いことがある」というと、スピリチュアルっぽく聞こえるかもしれません。でも、感謝の心理学的な研究は、ポジティブ心理学の中心テーマの一つです。
カリフォルニア大学デービス校のロバート・エモンズ教授は、感謝の研究の第一人者として知られています。彼の研究室では、感謝の日記をつけるグループとつけないグループを比較する実験が数多く行われてきました。
感謝の実践は、特別な信仰を必要としません。「ありがたいな」と感じる気持ちに意識を向けるだけ。それだけのことが、なぜ心に良い影響を与えるのか、多くの研究者が探求を続けています。
3. 自然体験(森林浴)
「森林浴」(Shinrin-yoku)は、日本発の言葉として世界に広まりました。
日本医科大学の李卿教授をはじめ、多くの研究者が森林浴の研究に取り組んでいます。森の中を歩くことで体にどのような変化が起きるのか、生理学的な測定を用いた研究が進んでいます。
海外では「Forest Bathing」として、医療や福祉の現場で取り入れる動きも広がっています。スコットランドでは医師が「自然処方」として森の散歩を勧めるプログラムが注目を集めました。
自然の中にいると心が落ち着く。多くの人が直感的に知っていたことを、研究者たちが丁寧に検証している段階です。
4. 呼吸法(ブレスワーク)
「深呼吸すると落ち着く」。これは経験的に誰もが知っていることですが、そのメカニズムも研究の対象になっています。
スタンフォード大学のアンドリュー・ヒューバーマン教授は、呼吸と神経系の関係について多くの発信をしています。特に「生理的ため息」(physiological sigh)と呼ばれる呼吸パターンが注目を集めています。
呼吸は、自律神経に自分の意思でアクセスできる数少ない手段です。宗教やスピリチュアルの文脈で古くから重視されてきた呼吸法が、現代の神経科学で改めて注目されているのは興味深いことです。
5. ジャーナリング(書く瞑想)
テキサス大学のジェームズ・ペネベイカー教授は、「書くこと」が心身に与える影響を30年以上研究してきました。
彼の「筆記開示法」(expressive writing)は、自分の感情や体験をノートに書き出すことで心が整理されるというもの。多くの心理学の教科書に取り上げられている、確立された手法です。
ジャーナリングが「書く瞑想」と呼ばれるのは、内面に意識を向け、言葉にする過程が瞑想と似ているから。特別な信仰も、高価な道具も必要ありません。始めてみたい方は「ジャーナリングの始め方」を参考にどうぞ。
「科学的に正しい」と「自分に合う」は別の話
ここまで研究が注目する実践を紹介しましたが、大切なことが一つあります。
研究で効果が示されていることと、それがあなたに合うかどうかは、別の話です。
瞑想が苦手な人もいるし、ジャーナリングがしっくりこない人もいる。それは全然おかしなことではありません。
大切なのは、「研究で良いと言われているから」ではなく、やってみて自分が心地よいと感じるかどうか。自分の感覚を信じることが、SBNR的なアプローチの核心です。この「自分の感覚を信じる」ということについては「直感を信じる」でも詳しく書いています。
スピリチュアルと科学は対立しない
「スピリチュアルか、科学か」という二項対立で考える必要はありません。「スピリチュアルは怪しい?信頼できるものの見分け方」では、距離を置いた方がいいものとの見分け方も紹介しています。
古くからの知恵を、現代の研究手法で検証する。良いものは取り入れ、根拠の薄いものとは距離を置く。そうやって「自分にとって本当に意味のある実践」を選んでいく。
それが、SBNR的なスピリチュアルとの付き合い方です。
※本記事は情報提供を目的としたものであり、医療上のアドバイスではありません。心身の不調がある場合は、医師や専門家にご相談ください。